わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

青栗

2022年8月29日

 

「青栗や児童ら向かう始業式」

 

今日の季語は「青栗」。まだ成長過程の青いイガの栗だ。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「栗」を見た。

 

「栗は古代から食用にされており、栽培が盛んである。針状の毬(いが)が特徴で、熟すると自然に割れを生ずる。少し開いて実がのぞいている状態を『笑栗』(えみぐり)という。」

 

地元の小学校は今日が2学期の始業式。さて夏休みの宿題は無事終えただろうか。また子供たちの集団登校が始まった。町内の通り沿いに栗の木がある。青栗は元気を与えてくれる。青々とした毬が目を引く。子供の目にもきっと魅力的に写っているにちがいない。どんな実がなるのか楽しみだ。

 

「栗」を季語にした句を3句。

 

「待つことは長し栗の実落つることも」     山口青邨

「青栗に夜来の雨のしぶきけり」        郷原弘治

「間道はいづれも京へ丹波栗」         渕上千津

 

第1句。山口青邨。5−7−5の定形から微妙にずれていて、内容もストレートではないが、作者は何を待っているのか気になる句だ。一般に何でも待つのは長いと言っているのか。しばらく考えてしまう。第2句。これはよく目にする光景だ。「雨がしぶく」という言い方が面白い。「雨の当たりけり」では平凡なのだろう。第3句。丹波栗は有名だ。京に向かう街道筋には昔は栗の木がたくさんあったのだろう。それもおいしい丹波栗の木が。