AIによる健康管理
2021年12月28日
今年は新型コロナの影響で今まで20年近く続けていた人間ドック受診を止め、初めて岡山市の国保特定検診を受けました。昨日、市の方から受診者に対して「生活習慣アドバイスシート」が送られてきて、そのシートにはAI (artificial intelligence: 人工知能) が予測した私の今後3年間(1年後、2年後、3年後)の各種検査値(血圧、血糖値、中性脂肪、コレステロール、肝機能など)の変化予想が折れ線グラフで書かれていました。それ自体はとても興味深く、このようなサービスを提供してくれた市に対しては、ここまでやってくれるのかととても有り難い気持ちになりました。
その一方で、たった1度の検査結果で3年後まで予測できるほど、今のAIは進んでいるのか、本当にこの予測は信頼できるのか、ちょっと心配にもなりました。市がこの情報を提供した意図は、AI の予測を個人個人が知って、それぞれが健康のための対策を取るように促すことにあります。その意味では、多少AIの予想が実際とは異なっていても、本人にとっては大きな意味があります。更に市では「健康アプリ」を提供して、市民に参加を呼びかけています。このアプリをダウンロードすると、種々の健康に役立つ情報やアドバイスを閲覧できるそうです。私はすでに以前からノートに毎日体重を測定したり、歩いた歩数を記録したりしていますので、このアプリをダウンロードするメリットは余り感じませんが、これを機会にこれまで何もしてこなかった多くの市民がスマホで簡単に健康管理ができるようになれば、自分で健康状態を自覚し健康改善に取り組むよい仕組みになるかもしれません。このAI活用の最終的なねらいは、将来の高齢者の医療費の圧縮にあることはもちろんです。
最近のAI活用で話題になっているのは、新型コロナの流行予測です。また、台風の進路予測など毎日の気象予報でもAIが活躍しています。二酸化炭素の排出量と地球温暖化のシミュレーションや、日本の人口動態や経済の見通しまで、全てAIが予測してくれます。挙句の果てには、このようなAIの活躍によって、将来多くの人間のやるべき仕事がAIによってとって代わられることもAIは多分正確に予測しています。
軍事技術へのAI の利用なども当然進んでいますが、やはり何としてもAIは人間の生活向上のために役立って欲しいです。今回のAIによる健康予測などは、その意味では我々の健康・福祉・幸福に直結するので、是非官民で協力してその予測精度をあげてもらい、将来本当に信頼できるものにしていってもらいたいと思います。血液1滴、尿1滴で自分の健康状態の近未来が正確に予想できるならば、それは素晴らしい技術です。