わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

こんな本読んだことありますか?  『なまえのないねこ』(竹下文子文、町田尚子絵、小峰書店)

2020年2月1日

 

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今評判の絵本です。まず表紙の猫の絵がとてもかわいい。私も最近ときどき我が家のオス猫の絵を描くことがあるので、絵のうまさ、かわいさがよく分かります。

 

絵本というのは不思議ですね。本来子ども向けに書かれているので、時間をかけずにすぐに読めるようになっています。それでいて、読んだ後じわじわと感動が来る。絵も一つひとつが素晴らしい。何度読んでもまた読みたくなり、読むたびに感動が新たになります。

 

子ども向けにほとんどひらがな (一部、猫の名前などはカタカナ)で書かれた文章には、包みこむような暖かさがあります。物語全体が詩のような感じで心に迫ってきます。そしてやさしいぬくもりのある絵。文を書いた人も絵を描きた人も、どちらも猫と長く暮らしてきた人。猫に対する愛情が溢れています。

 

私は透明水彩画を描いているので、絵のタッチなどに関心があります。この絵は水彩ではなさそうです。キャンバス地が見えるので、油絵の具で描かれたのだとおもいます。それにしても猫のかわいい表情があっさりと自然に描かれています。室内の描写や脇役の人物の描写もとても気持ちがいいです。私もいつか自分の水彩画をもとに、猫の絵本を作ってみたいとおもいました。