わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

屋根瓦 光の粒が はね返り (岡山県倉敷市 水彩スケッチ)

20144


イメージ 1


春の日の朝,倉敷でスケッチしました。朝は少し冷えましたが,お昼頃にはぽかぽか陽気になって,今年初めて透明サングラスをかけてのスケッチです。スケッチした場所は,美観地区の大原美術館から歩いて5分ほどのところにある本栄寺の前です。本通りに面した国の重要文化財「井上家」邸宅の横の路地を少し入ったところになります。ここからは,細い路地の両脇にならぶ倉屋敷と路地の向こうの本通りとが見え,太陽の光が強く当たった家の白い壁面と影になった面との対比が見事です。



イメージ 2


影をきちんとつけるところと,白く紙の地の色を残すところを意識すればいいので,建物の輪郭さえきちんと描ければあとは描くのは比較的楽なのですが,課題は春の明るい陽気をどのように描くかです。屋根の瓦の色は,言ってみればネズミ色ですが,それを黒と灰色で描くと絵が重たく暗くなります。黒と白と灰色が画面の大部分を占めるなかで,どうやって春の陽光を描くか,が今日の課題でした。やはり,ここでは黄色の絵の具の力を借りることになりました。屋根や壁や,向こうの明るい通りに思いきって黄色を乗せました。それと通りを歩く若いカップルを描きました。これで絵が生き生きとしてきました。フランスの印象派の人たちは外光のもとで風景や人物を描きましたが,やはり光の表現が一番難しくて,しかしどうしてもそれをやりたかったんでしょうね。そして光はいろいろな色の光の粒でできていることを無意識のうちに分かっていて,それを絵の具の色の粒々で置き換えて,点描で表現したわけですね。すばらしいです。そんなことに思いをはせながら,今日はスケッチをしました。



イメージ 3