わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

菜の花に ハイタッチして 薩摩路(さつまみち) (鹿児島県指宿市 水彩スケッチ)

20141

 

22回 指宿(いぶすき)菜の花マーチ ウオーキング大会に参加するため,鹿児島県指宿市に来ました。鹿児島市には10年以上前までは何度か行ったことがありましたが,今回は久しぶり。九州新幹線に乗って博多から南に向かうのはこれが初めてです。新幹線「みずほ」の指定席は,中央の通路を挟んで左右2列ずつの,ゆとりの座席配置です。座席の前のスペースもゆったりしていて,大げさに言うと,動く応接間,という感じですね。博多を出ると,車内放送が日本語,英語,韓国語,中国語になりました。これはいかにもアジアっぽいです。いい雰囲気です。初めての九州新幹線。はじめトンネルがやや多いかなと思いましたが,そのうち列車は開けた平野部を疾走し,快適な乗り心地でした。あっという間に,熊本を過ぎて鹿児島中央駅到着。鹿児島は暖かいです!ここにはもう春が来ていました。

 
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鹿児島中央駅からは,特急「指宿のたまて箱」号に乗りました。レトロな電車です。先頭電車の頭の部分に「IBUTAMA」と書いてあるのがかわいいですね。「IBUすきの TAMAて箱」でIBUTAMAなんでしょうか。車内で「豚まん」のサービスでもありそうな名前ですが…….

 

指宿に向かう途中の駅,喜入(きいれ)で下車して,知覧行きバスに乗りました。太平洋戦争の特攻の基地があった場所です。昔から是非一度訪れてみたい場所でした。バスの乗客は私を含めて観光客の3名だけでした。面白かったのは,車内のアナウンスで,ここでも英語と韓国語でした。「喜入中(学校)前イムニダ(韓国語で「です」の意味)」などと案内をするローカルバスは生まれて初めてです。バスは比較的広い道を山に向かって登っていきました。

 
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「特攻観音入り口」でバスを降りると,すぐに知覧特攻平和会館が見えました。駐車場には沢山のツアーバスが止まっていました。見学に来た自衛隊の大型車両もありました。平和会館には,特攻機の実物や模型,それに多くの特攻隊員の遺影と遺書が展示されています。若い人から年配の人まで沢山の入館者がいましたが,さすがに特攻隊員の遺書の前では涙する人が多かったですね。これはやはり悲しい歴史です。いかに戦況が厳しいとはいえ,自爆はつらいですね。やはり親兄弟,妻子のある身で,できればいつまでも生きたかったでしょう。展示を見ているうちにだんだん気持ちがふさいできたので,予定を早めて帰りのバスに乗ることに決めました。とてもここでスケッチブックを開く気にはなれません。今晩宿泊する「指宿温泉行き」バスに乗り,山道を下るとやがて前方に広い海が見えてきて,やっと気持ちがほっとしました。



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ホテルに着いてまだ日が暮れるまで時間があったので,部屋のベランダから指宿湾を描きました。ちょっと時間が足らなかったのですが,雲の多い空を広く描きました。特攻隊員は出撃の時に,戦闘機から左手にこの指宿湾を眺め,桜島を見,そして右手に開聞岳を目にしながら沖縄方面を目指したのでしょうね。本当に切ないですね。明日のウオーキングのコース図をみると,丁度いま絵に描いた岬をぐるりと回るコースのようです。




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翌朝は幸い晴れでした。昨晩は夜遅くに雷が鳴り,雨が降りましたが,明け方,次第に雲が切れて青空が広がっています。昨晩は指宿温泉の砂湯も体験し,おいしい料理もいただき,体も心もすっきりです。

ウオーキング会場の「セントラルパーク指宿」に集合して10時半にウオーキング出発。12キロコースは参加者が1200人とか。かなり多いです。菜の花マーチと言うだけあって,コースのあちこちに菜の花が満開でした。気温16℃。歩いているうちに汗ばんできたので,途中で防寒着も手袋も,首のタオルも取りました。参加者は地元鹿児島が多いのですが,九州各地,そして全国から参加しています。


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はじめは田舎の道を歩いていて,美しい菜の花以外は特になんということもなかったのですが,中継点で休憩した後,急に道が上りはじめました。昨日絵に描いた岬(標高214.8メートルの魚見岳という山があります)の東側を,息を切りながら回り込むと,目の前に錦江湾が広がってきました。わあー!と皆思わず大歓声です。素晴らしく美しい春の海!そして近くに見える島。青空。この明るい海をすぐ横目に見ながら歩く素晴らしいコース。時々波しぶきが道路に上がってきます。多分,自分一人ではこんな路は探して歩けないと思うので,これは本当にウオーキング大会の主催者のおかげです。途中でトイレや飲み物など,いろいろなサービスがあるのも助かります。


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もうこのまま天国に行ってしまいそうな明るい気分で,午後1時にもとのセントラルパークにゴーイン。早速弁当の引換券を取り出して昼食。おいしそうなおかずをまず一口食べたところで,「ああ,そうだ」と気がついて,記念の写真撮影。さすがによく歩いた後はおなかがすいています。おいしくお弁当をいただいて,それから,もっと長い距離を歩いて続々とゴールする人たちを見ながら,会場を後にしてJR指宿駅に向かいました。無料スープ券が2枚あったのに気がつかなくて,あとで帰りのJRの中で気がついて,これがすこし心残りでしたが,実に素晴らしいウオーキングでした。いぶすきウオーキング,また来たいです!!


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