わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

御食国(みけつくに) 若狭小浜(おばま)の食べ歩き (福井県小浜市 水彩スケッチ)

20129

 
古くから朝廷に品質の高い食材を納める国を「御食国(みけつくに)」と言ったそうですが、その「御食国」若狭(わかさ)の小浜で開かれた「歴史街道ウオーキング」に参加しました。まず、出発までに時間があったので、早朝の小浜湾をスケッチ。水面が鏡のように静かです。その先には若狭湾が広がり、そしてその外は荒波の日本海です。この浜の一部は、海水浴のできるきれいな砂浜です。

イメージ 1


 出発会場となる若狭フィッシャーマンズ・ワーフに集合し、10キロコースを歩きました。海岸沿いの道から、古い町並みを通り、比較的新しい開けた田園地帯を通るコースでした。かなり大きな川が二本、並行近接して小浜湾(若狭湾)に注ぐのが、地理的には珍しく、びっくりしました。昔から、この二つの川は大雨でよく氾濫したそうです。


イメージ 2


イメージ 3

イメージ 4


途中、同行していただいたウオーキング指導員の方から、沿道の名所ごとに解説を受け、本当にこの地の歴史がわかる楽しいウオーキングでした。ウオーキングというと、やたらと我慢して歩き続けるイメージがありますが、10キロコースだと体力的にもゆとりがあり、人と話をしながら、また周りの景色を楽しみながら楽しく歩けます。10キロでだいたい2時間程度の歩きでしょうか。10時に出発し、12時ごろにはゴールし、リラックスして昼食の時間となりました。コールでは温かい漁師鍋のふるまいサービスがありました。

 
ウオーキング終了後、一人で再び同じコースの一部をたどり、これはという場所で古い建物を描きました。描いた建物は木造の由緒ありそうな堂々とした建物でしたが、あとで近所の人から聞いた話によると、昔の遊郭置屋のなごりだとか。なるほど、昔から日本中どこでも、多くの旅人や漁師が出入りする港町にはこの種の建物があったわけですね。


イメージ 5


 小浜は昔から水産業の盛んな場所です。ホテルで出された夕食も、取れたての魚介類の刺身、焼き魚、煮つけ、天ぷらと、新鮮な海の幸であふれていました。こんな新鮮な味は、都会ではまず味わえないでしょう。さすがに「御食国(みけつくに)」と言われるだけのことはあります。町では焼き鯖も売っています。また、鯖の缶詰や、小鯛の笹漬け、干しカレイなども有名です。あと、ついでに「酒饅頭」も美味しいです。皮が厚い酒饅頭は、薄皮饅頭全盛の現代にあっては、貴重な一品です。ホテルに買って帰って、美味しいので一度に3つも食べてしまいました。


イメージ 6


 小浜は昔から京都と強いつながりがあります。小浜と都を結んだ鯖街道がその有名な例ですが、鯖を単に小浜から都へ運んだだけでなく、その帰り道には、都の品々を小浜に持ち帰ってきました。このようなつながりから、小浜方言には京ことばの影響が大きいそうです。地元のお祭りにしても、京都から影響を受け、その古い伝統をそのまま引きついたものがあります。

 

あと、小浜市オバマアメリカ大統領を「勝手に支援する」町として有名。オバマ大統領をあしらったT-シャツが飛ぶよう売れたそうです。町中に妙に「OBAMA」の文字が目につきます。アメリカのルース駐日大使夫妻も、この小浜市のサポートに応えるために小浜を訪問しました。こういう町おこしもいいですね。ちなみに小浜市への最短コースは、京都から湖西線近江今津下車(ここまで新快速で45分、特急35分)、そこからJRバス小浜行きで1時間です。バスの経路の中ほどに鯖街道の中継地である熊川宿があります。小浜の近くには小浜線舞鶴線、山陰線とJRの各路線が走っていますが、意外と連絡が悪く、小浜と京都を最短で結ぶ鉄道の建設が地元の人々の長い間の願いのようです。いづれにしても、食通の人は、特に海産物が好きな人は、一度は足を運ぶといい町です。