受験子
2023年2月26日
「受験子よきっとあなたの夢かなう」
昨日から国公立大学の二次試験が始まっています。今日の季語は「受験子」。いうまでもなく春の季語です。
「受験子、受験生、入学試験」などを季語にした俳句を紹介します。
「こんなきれいな空合格の子と仰ぐ」 中村明子
「とんとんと二階を降りて合格子」 豊田八重子
「鉛筆に残る歯のあと合格す」 吉野トシ子
「携帯をはみ出す笑顔合格す」 福田節子
「合格の子さりさりとサラダ食む」 高田よし子
受験関係の句はとても多いです。それも女性の句が多い。多分受験生の母親として詠んだ句なのでしょう。合格の句はどれも喜びが溢れています。これらの句を読むと、自分の大学入試のことを思い出します。人生やり直せたとしても、もう入試勉強だけは勘弁してほしい。これが正直な気持ちです。
春氷
2023年2月25日
「母の縫う雑巾一つ春氷」
今日は寒い土曜日です。明日日曜日も寒い予報で、これを過ぎると月曜からは4月並の暖かさとなるようです。来週が楽しみです。
母親は土曜、日曜はデイサービスが休み。いつも週末は退屈でこまっているようなので、今日は私の古いパジャマを使って雑巾縫いを頼みました。母は若い頃から裁縫が得意でした。しかし今回久しぶりの作業。雑巾一枚縫うのにも時間がかかりました。仕上がりはとてもきれいでした。時間はかかりますが、まだ腕は落ちていません。
今日の季語は「春氷」。「薄氷」の関連季語です。
「春氷」を使った句を一つ。
「遠景のごとくに揺るる春氷」 小宅容義
地面に氷が張っているのでしょうか。そこに映る風景や光が揺れて見える風景を詠んだのだと思います。実景をしっかりと観察してスケッチした句です。実際はどんな情景なのか、いろいろと思い巡らすことのできる句です。
如月(きさらぎ)
2023年2月24日
「如月や早一年のウクライナ」
ロシアによるウクライナ侵攻からちょうど一年となりました。戦争の長期化が懸念されています。世界はどうなっていくのか。何となく楽観視できない雰囲気になってきました。日本の安全保障もそうですが、戦争に伴うエネルギー問題や食糧問題もとても心配です。
今日の季語は「如月」。『新版今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフイア文庫)で「如月」を見てみました。
「陰暦二月の異称。寒さが残っていて更に着物を重ねて着るという着更衣(きさらぎ)の意味という。新暦に直せば、仲春で三月半ばから四月半ばをいうことになるが、実作ではややうそ寒い早春の趣を詠むことが多い。」
「如月」を季語にした句を一つ。
「きさらぎや膝まんまるなおんなの子」 小沢信男
ひらがなを使ったやさしい雰囲気の句。女の子のかわいらしさがよくわかります。私の敬愛する俳句の大先輩で愛読書『俳句世がたり』(岩波新書)の著者である小沢さんの句として覚えておきたい句です。
雉子(きじ)
2023年2月23日
「雉子鳴くや令和の前方後円墳」
今日はスケッチ会で造山古墳のスケッチ。今月2回目です。造山古墳群の第5古墳(千足古墳)の見える風景を描きました。この古墳は現在生えていた草木を取り払って復元整備中です。きれいな前方後円墳の形がよく見えます。まるでピラミッドみたいです(ピラミッドの実物を見たことはありませんが)。古墳は近々一般公開の予定ということです。
スケッチ仲間からの情報では、近くで雉子(きじ)が鳴いていたようです。雉子は晩春の季語。私が朝歩く散歩道でも時々雉子が見られます。
今日のスケッチ
ホワイトワトソン水彩紙 F6
鉛筆、筆ペンとホルベイン水彩絵の具
所要時間:2時間
春動く
2023年2月22日
「春動く思わずマスクつけ忘れ」
今日の季語は「春動く」。「春めく」の関連季語です。これらの季語は人気で、確かにこれらの季語を使うとどんどん句が詠めそうな気がしてきます。2月も下旬になって、本当に春めいてきました。晴れた日の日差しが強くなってうれしくなります。外を歩くと気持ちがいいので、ついマスクを外したくなります。幸い新型コロナもかなり下火になってきました。3月13日からはマスクをすることを各自で判断できるようになります。気分的にはずいぶん楽になるでしょう。もちろん我々高齢者は今までどおり外出時にはマスクをつけたほうがいいとは思いますが。
明日2月23日は木曜スケッチ会です。
場所:岡山市北区造山古墳(2回目)
時間:9:30古墳駐車場集合 9:30〜12:30
参加自由、無料です。
春寒
2023年2月21日
「春寒や税の申告やっと済み」
今日は確定申告をしました。パソコンからできる e-tax のシステムを使用。これは自宅で申告作業が全てできるのでかなり楽です。しかし実際には昨日から作業を始めて、途中でデータを保存しようとして失敗し、また今日の午後に再開して2時間ほどかかりました。昨日の失敗の原因は古いパソコン(MacBook Air) を使ったこと。OSが古いとe-taxに対応できないことに気が付きませんでした。比較的新しいOSの3年ほど前に買ったパソコン(MacBook Pro)に変えて作業をやり直したらスムーズに最後までいきました。調べてみたら昨年の申請でも同じ間違いをしていました。毎年同じ間違いはだめです。
「春寒」を季語にした句をひとつ。
「春寒し赤鉛筆は六角形」 (星野立子)
生き生きとした句です。その生き生きの原因は赤という色と六角形という形の表現かもしれません。色鉛筆という誰でも知ってる題材が取り上げられ、イメージしやすいのもいいです。こんなふうにシンプルにすっきり浮き立つ句にもあこがれます。
春めく
2023年2月20日
「春めきて土持ち上ぐる小さき芽」
寒さが引いたり寄せたり、まるで波のようです。今日は午後から少し寒くなりました。明日は晴れますが、今日よりずっと寒いようです。庭に植えた球根類が少しずつ芽を出し始めました。チューリップの濃い緑色の芽にさわると思いのほか固くてびっくりします。小さいのにしっかり充実した感じ。これがこれからどんどん伸びて、あっというまに成長する姿は驚きです。
「春めく」を季語にした句を一つ。
「春めきて髪を短く切ることも」 稲畑汀子
「春めく」を季語にした句がたくさんある中で、本当に春めいて見える句がこれ。なんとも言えない春の明るさ、よろこびを表現しています。女性特有の感情も読み取れます。私ももうそろそろ月に1度の散髪の時期ですが、春めいた気持ちで散髪したいと思います。