わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

録画とは 知らずに興奮 サモア戦

 

2019年10月6日

 

昨晩は、ラグビーワールドカップ日本対サモアの試合が夕方7時台に民放テレビで実況中継されているのを知らなくて、午後10時から2時間の録画放送をNHK BSでやっていたのを生中継と勘違いして、それを手に汗握って見ていました!!

 

そもそもラグビーの試合をテレビでも真面目に見たことがなくて、妻が「今晩は10時からサモア戦のテレビ中継があるから絶対見る」というので、自分も新聞のテレビ放送欄を確かめないで一緒に見始めた訳です。妻もラグビーは全く素人なのですが、よく活躍する福岡選手が自分の高校と同窓だから(福岡県立福岡高校)今晩は絶対見ると張り切っていて、私も引き込まれました。「こんな夜遅くからテレビ中継??」と、ふと疑問が頭をかすめたのですが、多分テレビの放映権の問題でまたどこかの国に要求されて遅い時間帯の試合になったのだろう、と勝手に思い込んでいました。そして愛知の豊田スタジアムにこんな深夜なのによく観客が入ってるなあ、ラグビーファンは実に熱心だなあ、と感心しながら観戦。夜中の12時に試合が終わって帰りの電車はどうするのだろう、臨時電車がでるのだろうか、小さい赤ちゃんをつれたカップルも観戦しているけれど、赤ちゃんは眠くなるだろうなあ、などどいろいろ心配をしながら見ていました。

 

やがて試合が進むと、実際には録画なので要らない部分はカットされて放送されていたのですが、その時はラクビーの試合を初めて見るので、妻と二人で「ラグビーというのは試合の流れが驚くほどスムーズだねえ」などど話していました。それにしてもスムーズ過ぎると私が疑問に感じ始めて、「これ録画じゃないの?」と妻に話すと、「いっぱいカメラを切り替えるからそんなふうに見えるのよ」と自信たっぷりに言われて妙に納得。それにしてもすばやく進む試合。結局、日本が4トライをあげて38対19でサモアに快勝。そして試合が終わった後、トライをあげた松島選手や福岡選手に時間をあけずに次々にインタビュー。ちょっと間があかなさすぎる!と気がついたときには早くも番組終了。「これ、何かおかしいよ」と妻と二人で新聞を広げると、「何だ、生放送はもうとっくに終わってるじゃん・・・」ということになりました。高齢者になるとこんなことになる。実感しました。おかげて昨晩は勝利の興奮でなかなか寝付かれないし、今朝はいつもどおりに猫の子が朝4時に私を起こしに来るしで、寝不足の日曜日となりました。

 

人間、何でも思い込みはだめですね。自分の目でしっかり確かめて行動したいと反省しました。次のスコットランド戦は間違いなく生放送で見ます。10月13日(日)19:45試合開始です。

 

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今日のマルちゃん

モンバルキャンソン水彩紙 中目 F4

鉛筆(2B)

ホルベイン水彩絵の具(チューブ)

所要時間:1時間30分

 

インスタばえ どんなハエかと 聞くオヤジ(私)

2019年10月5日

 

「ドット・コム どこが混むのと 聞く上司」。これは有名なサラリーマン川柳の一句です。私もまねして作ったのが今日のブログタイトルの句です。もう誰かが似たような句を作っていそうですね。

 

4,5日前からインスタグラムを始めました。インスタグラムとは写真を投稿するサイトで、若者の間で広く支持されているというぐらいの認識はありましたが、今の自分にはブログもTwitterもあるのでそれで十分と思っていました。しかし先日、尾道の路上でスケッチをしていたら、通りかかったカナダ人の若い女性が「今はインスタグラムで写真を公開するのが断然便利ですよ」と自分のスマホを示しながら教えてくれたので、私も試しにやってみることにしました。

 

インスタグラムへの導入操作は意外なほど簡単でした。私のような高齢の初心者でもすぐにできました。あっけなく最初の絵(猫の絵)の写真がインスタグラム上にのりました。私が使う#ハッシュタグは、水彩スケッチ関係のものにしました。あと、日本各地のスケッチをしているので、その地域の地名をハッシュタグに使うことにしました。

 

ブログもTwitterも日本語で書いているので(Twitterは文章が短いので英語でも時々発信します)、読者はもちろんほとんど日本人のはずです。今回始めるインスタグラムでは、できれば世界中の人達と交流したいと思って、ハッシュタグを英語と日本語の両方にしました。その結果、(当然ですが)日本人と海外の人の両方から「いいね!」のチェックが入るなどの反応がありました。これにはとても感激しました。写真だと言葉の説明がなくても気持ちが通じるのだ、と納得しました。

 

さて、気になるのはその先でした。#水彩スケッチと#watercolorsketch (水彩スケッチの英訳)の2つのハッシュタグに集まる投稿写真(絵の写真です)の数を比較すると、日本語の方は4,282件、英語の方は507,687件。何と英語の方が100倍以上も多いのです。それに対応して、#watercolorsketchに集まる絵のほうが実に多様で多彩でしかも大量! 英語の #watercolorsketchにズラッと並んで次から次へと出てくる絵を見ていると、こんな刺激的な絵の中に自分の絵が入っていって本当に大丈夫だろうかと不安になります。しかし、実際に新着の写真の中に自分の絵を見つけると、その絵がそれなりの雰囲気を持って存在しているので、ちょっと安心。しかし、自分の絵にはなかなか「いいね!」のチェックが入らいない。後からどんどん押し寄せる絵には次々に「いいね!」が入る。これはかなりショックです。そして自分の絵とまわりの人達の絵に付けられた「いいね!」の数の間にどんどん広がる差。こうして投稿直後から読者の人気投票にさらされるわけです。圧倒的に若々しい、いかにもアートといえそうなユニークな絵に比べて、年寄りの描いたオーソドックスな水彩画は、若い人の感性には余り響かないのでしょう。いつまで待っても私の絵の「いいね」の数は伸びません。そしてその自分の絵は下へ下へと押し流されていきます。こうして現実の評価の厳しさを思い知らされました。

 

一方、日本語の#水彩画の投稿写真の中では、気のせいか、私の絵は比較的安心しているように見えます。投稿数も少ないので全体の流れもゆるやか。しかし、はっきり言って日本のグループの方には、「激動感」や「躍動感」がありません。日本の伝統の浮世絵やそれから伝統を受け継ぐマンガ・アニメにみれらるような線描を大事にする絵が多く見られます。絵のスタイルもやや保守的です。これはこれで日本の絵画の大事な特徴なのでいいと思いますが、やはり全体に平凡でおとなしく、あっと驚くような多様な表現に欠けているような印象です。高齢者の参加も比較的多そうです。そして、試しに日本のグループから世界のグループにもう一度戻ると、再び「激動」の世界です。

 

「多様性の欠如」は日本の社会の欠点としてよく取り上げられますが、そんなことをこのインスタグラムの上でも感じました。やっぱり、世界の激動の中に身を投じないと、小さなグループの活力はやがて低下に向かうのでしょう。「インスタばえ」というのは、沢山の集団の中で何とか自分を目立たせることでしょうね。キラリと光って存在感をアピールすることです。普段から写真を投稿する若い人たちは、この点に苦労しているわけですね。日本人の若者もこれから激動の世界の中で「インスタばえ」で経験した気持ちを忘れず、キラリと輝いて頑張ってほしい。

 

私の絵に「いいね!」をつけてくれた人が何人かいて、その人のサイトを訪問してみると、アメリカ、カナダ、メキシコ、ロシア、ウクライナ、韓国、スイス、インドネシア、イギリス、スペイン、中東など実に多様。そして若い女性が多い!アートの世界ではもはや女性が主力です。何だが嬉しくなって、もうしばらくこの「激動」の中に身を委ねて、若い人たちに同情されながらでも、自分らしい絵を描き続けてみたい、と思っています。もしよろしければ、ついでの折に、私のサイトもご訪問下さい(インスタグラムのサイト内検索でyaswatercolorと入力)。

 

(最後に試しに、私の絵に「いいね!」をくれた地元の炉端焼きの店のサイトに行ってみました。すると、メニューが写っているだけの写真なのに、どの写真も1,000個以上の「いいね!」を獲得。これにはどうも納得がいきませんが・・・・。まあ、いいか。どうも有難うございます。)

 

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木曜スケッチ会のお知らせ

2019年10月3日

 

木曜スケッチ会の10月エクストラを岡山県備前市の八塔寺ふるさと村で開きます。

 

10月12日(土)(第2土曜日) 

岡山県塔寺ふるさと村

9:30頃に八塔寺バス停付近に集合してください。

 

7:07JR岡山→7:42吉永、7:43JR岡山→8:24吉永

 

備前市営バス8:27吉永駅→8:59八塔寺

(バスは定員9名。もし全員乗れない場合はタクシーに分乗します)

 

(帰り)14:10八塔寺→14:40吉永駅 14:55JR吉永→15:31岡山

              

美しい秋の稲田を描けると思います。

 

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尾道の 宝土寺(ほうどじ)見上げ 描く秋 (広島県尾道市 水彩スケッチ)

 

2019年9月26日

 

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グループで尾道に来ました。早朝の通勤・通学客で満員の電車に乗ってJR尾道駅へ。集合時間の9時半に集まったのは23名。今日は今シーズン最初の定例スケッチ会なので参加者が多かったです。簡単な打ち合わせの後、皆さんそれぞれ観光地図を片手にスケッチポイントを捜して散っていきました。私は尾道駅前から歩いて、前回下見に来た時と同じ「古寺めぐりコース」へ。前に描いた持光寺の石段のところを過ぎ、海福寺、光明寺も過ぎて、そこから坂道の多いコースを離れ、JR山陽線と国道をまたぐ跨線橋を渡って尾道水道と並行して伸びる商店街の方へ出ました。こちらには日陰がたっぷりあるので、今日のような夏を思わせる強い日差しの日のスケッチには向いています。少し国道沿いを歩いているうちに、山側の宝土寺と商店街をつなぐ細い路地に来ました。ここは日陰で人通りも多くなく、スケッチに最適です。ちょっと背後の商店街を通る通行人の目が気になったのですが、思い切ってここにイーゼルを立ててF6サイズの水彩紙を縦に2枚並べて置きました。いつもの立った姿勢で、スケッチ開始が10時半。

 

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まずは2Bエンピツで正面の宝土寺の山門から下書き開始です。山門から下へ降りる石段、JR山陽本線の踏切、国道、そして商店街へつながる路地。いかにも尾道らしい風景です。描いていてうれしくて気持ちが次第に高まります。商店街から聞こえてくる懐かしのアメリカン・ミュージックも心地いいです。山門の向こうには千光寺山と青い空。千光寺山のロープウエーも見えたのですが、ここでは省略。画面の中で手前の路地の部分が大きく空いたので、ここに人物を描こうと時々通る通行人の姿を追いかけました。ちょうど日傘をさして通りがかった女性がいたので、その人のイメージでさっとエンピツ下書き。そのうち、通りの脇の飲食店の若い人が自転車でやってきて店を開けてそのまま店先に自転車を止めていたので、それもスケッチ。これで何とかこの手前の広い画面の部分を埋めることができました。

 

1時間でエンピツ下書きと筆ペンでの線描きを終え、11時半。お昼が近いので、朝買っておいたパン3個を立ったまま急いで頬張ってエネルギー補給。続いて筆洗いの容器に水を入れてパレットを開いて彩色開始。集合時間が午後1時半なので、片付けの時間を入れて残りまだ1時間半あります。まずたっぷりの水を含ませた平筆で空の部分を薄い青で塗る。それからパレットに紫の色を作って、丸筆で建物の影の部分や樹木の影の部分を彩色します。それから薄い黄色で明るい木々や草地や正面の線路の石垣や手前の通りの植木鉢の植物などを塗ります。この間約30分。これで彩色も一段落。この頃から、商店街を通る人が2人、3人と近寄ってきて絵を眺めたり写真を撮ったりし始めました。子供達も寄ってきました。「ぼくも描きたい」と言う男の子を、「だめだめ」とお父さんが制止していました。基本の影の色(紫)と光の色(黃)がつくと、絵として8割ぐらい出来上がってきます。

 

描き始めて約2時間。午後12時半です。商店街を自転車でやってきた若い外国人の女性が私の後ろでしばらく絵をながめた後、「とてもきれいです」と日本語で話しかけてきました。JRの電車の窓から私がスケッチをしているのを見かけて、まだいるかなと急いでここまで来たそうです。カナダのトロントから英語指導助手で尾道市に来て働いている人で、絵が好きだとか。初めは1年だけここにいるつもりで来日したのに、尾道が好きになってもう3年もここにいると話していました。日本語がとても上手です。元気でかわいらしい人なので私もつい調子にのって、日本語混じりの英語でいろいろと話してしまいました。地元のいろいろな人と出会える。これが野外路上スケッチの楽しいところです。

 

午後1時半にJR尾道駅前の海辺の道(広い木道が続いています)に全員集合して講評会をしました。今日新しくスケッチ会に参加された方が数名。皆さんの絵を見せていただき、勉強になりました。今日は尾道の坂道で歩き疲れて、絵までエネルギーが回らなかったと言われる方が多かったようです。2時半頃に解散。尾道ラーメンを食べたかったけれど、今日は帰りのJR電車の都合で諦めました。尾道には、またスケッチに来ます。描きたいところがいっぱいの街です。今日も楽しいスケッチ会でした。

 

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ウオーターフォード水彩紙 ホワイト 中目 F6 2枚

青墨筆ペン

シュミンケ固形水彩絵の具

所要時間:2時間30分

曼珠沙華(まんじゅしゃげ) 黄花(キバナ)コスモス 田舎道

2019年9月25日

 

秋の夕暮。晴れた日には夕焼けを見たくて自転車に乗ります。我が家のある丘をゆっくり下って、水田の中にぶどうハウスが点在する田舎道を行くと、眼の前に広がる空には様々な形をした雲が見えます。その雲が、山かげに沈もうとする夕日に照らされて何とも言えない美しさ。田んぼの稲穂は黄色く色づき始め、重そうに頭をたれています。この時期の田んぼには、何か懐かしさを感じさせる匂いが一面にただよっています。トップギアの自転車で通り過ぎた道端の大きな栗の木の枝にはイガグリがいくつもつき、曼珠沙華や黄花コスモスがあちこちで花を咲かせています。子供達は日が落ちるまで水路で魚とりに夢中です。自分が子供の頃見た風景と似た風景を今でも見ることができる。田舎に住んでいることの幸せを感じます。

 

田舎道を20分ほど走って、後半は一度降りた坂を別ルートから登ります。ここは前半の快適さと変わって体の鍛錬の時間になります。ギアを一番低速に切り替えてゆっくりペダルを踏む。足のももの筋肉に負荷がかかるのがわかります。この連続上り坂が15分ぐらい。息を切らしてやっと丘の上にたどりついて、それからしばらく深呼吸しながら勾配のない道を我が家に向かう。この時に味わう達成感。これもまたいいです。こんなふうにして気分転換と体力維持をする日々です。

 

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今日のマルちゃん

モンバルキャンソン水彩紙 中目 F4

鉛筆(2B)

ホルベイン水彩絵の具(チューブ)

所要時間:1時間

 

こんな本読んだことありますか? 「三度目の日本」(堺屋太一著、祥伝社新書)

 

2019年9月23日

 

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1947年〜49年(昭和22年〜24年)生まれの私達の世代を「団塊の世代」と名付けてくれた堺屋太一さん(本年2月に84歳で死去)の最後の著書です。

 

序章「はじめに ― 本当の危機がやってくる」は、いきなり『今、日本人は三度目の「敗戦」状態にある。』という文章で始まります。著者の言う敗戦とは世の中の価値観が大きく変わることです。最初が幕末の1898年。2度目が、太平洋戦争が終わった1945年。そして3度目の敗戦が、平成が終わった今年2019年。

 

第1章から第4章までは、明治から平成までの政治と経済の動きが、堺屋さんの視点で分かりやすく解説されています。経済の専門家だけあって、時代の流れと経済の関係についての記述にとてもインパクトがあります。強い日本を目指した明治維新後の日本。豊かな日本を目指した戦後の日本。そして平成の30年間で見えてきた諸問題と、次第にあらわになってきた日本の行き詰まり。この中での日本の官僚主導政治の欠陥を繰り返し述べています。そして現在の日本についての指摘はとても厳しい。

『特に現在の日本社会の最大の危機は、社会の循環を促(うなが)す構造が崩れつつあることと、若者層に「人生の想像力が欠如している」ことである。つまり「人生をやる気」が無いのだ。「欲ない、夢ない、やる気ない」。「ない」の三つに共通する頭文字は「Y」だ。この「3Yない社会」こそが、現代日本の最大の危機であり、「三度目の敗戦」の大きな断面である』

 

この危機を乗り越えるためには、社会の価値観を大きく変えなければならないというのが著者の主張です。第5章「三度目の日本を作ろう」が本書の結論部分であり、著者の遺言ともいえる部分です。天国はやめよう、天国に地獄の風を、「楽しみ」を正義に、など新しい価値観創造につながる提言が書かれています。この部分の内容がもう少し膨らんでいるとよかったと私は思うのですが、堺屋さんにこれ以上筆を進める体力がなかったのでしょうか、あるいは「地獄」や「楽しみ」の中身を具体的に提案できるようなアイデアがまだ煮詰まっていなかったのかもしれません。あとは読者が自分たちで考えなさい、と問題提起をしているようにも感じました。

 

先日、ワシントン・ポストのデジタル記事のなかに「Japan, a dying country(日本、死にゆく国)」という論評が載っていて、いささかショックを受けました。「日本が外国人の受け入れに消極的で、このままだと世界に稀な単一民族国家なる。人種や価値観に多様性のない国は、次第に活力が衰え、そのような国に明るい未来は期待できない」、という内容でした。この論評も日本社会の均一性を批判するものです。堺屋さんのいう「天国に地獄の風を」という主張も、多分この外国人受け入れ促進のことも含めているのでしょう。

 

これから先、日本を取り巻く内外の諸問題をあまり深刻に考えすぎないで、ゆったりと構えて行きたい。いろいろなことに楽しみや喜びを感じられるような気持ちを持ちたい。自分の失敗や窮地を笑い飛ばすような精神的ゆとりを持ちたい。若者達に夢を持たせ、「三度目の日本」を立ち上げるために、我々団塊の世代にもやるべきことがまだまだありそうです。

 

 

若者の行動で 世界が動き始めている!!

 

2019年9月21日

 

今月23日にニューヨークで気候サミットが開催されるのにあわせて、20日の金曜日には温暖化防止策を求めて世界中で大規模な市民のデモが行われました。ニューヨーク・タイムズの9月20日デジタル版によると、参加者は世界150カ国400万人で、ベルリン、メルボルン、ロンドンでそれぞれ10万人、ニューヨークで6万人でした。日本でも全国26都市でデモが行われ、東京は2800人、私の住んでいる岡山市でも50人が参加しました(日本では参加者がまだまだ少ない!)。

 

この国際的な若者たちの運動は、スウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんが、「世界が温暖化で滅ぶのに学校なんか行っていられない」と昨年夏から毎週金曜日に学校ストライキを始め、国会前で一人で座り込みをしたことから始まりました。その行動が報道機関等により世界中に報道されるにつれて、彼女の意志に賛同する若者たちが、Fridays For Future(未来のための金曜日)と名付けて、金曜日に集会やデモを始めています。

 

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地球温暖化は急速に進んでいます。気象庁のデータによると、工業化つまりイギリスで始まった産業革命(1750年)以前の大気中の二酸化炭素濃度は278ppm 。それが270年後の今日、405.5ppm (2017年)にまでなり、46%の急激な増加です。二酸化炭素濃度は毎年2ppm 以上増加しつづけています。地上温度もこの間 1℃ 増加。今のペースだと2040年頃には 1.5℃ 上がる見込みです。最悪のシナリオも大型コンピュータが計算していて、今世紀末に二酸化炭素濃度は1000ppm近くになり、気温は4℃上昇するかもしれないと言われています。その異常気象がもたらすのは、想定外の様々な事態です。わずか1℃の気温上昇でも、例えば昨年は私が住む岡山県などでこれまで経験したことのない大雨になり、水害で多数の死者が出ましたし、今年の台風では千葉県が風害による長期停電で苦しんでいます。気温上昇で日本では大雨や大型台風の襲来が大幅に増えると言われています。

 

私は高齢者なのであと10年元気でいられるかわかりませんが、若い世代の人たちにとってこれはまさに命にかかわる問題です。温暖化防止のために自分がやれることからやり始める。例えば、なるべくガソリンを消費する交通手段は使わない(例えば飛行機は1回の飛行でドラム缶数百個分の燃料を使うこともあるそうです)、木を育て、森林を大事にし(植物、特に木の葉っぱが行う光合成で空気中の二酸化炭素を吸収することが、温暖化防止に最も有効です)、なるべく木製品を使う(木製品でプラスチックの代替品があればプラスチック離れにもつなががります)、シンプルライフを目指し、二酸化炭素放出につながる生活パターンを見直す、などがあるでしょう。これを機会に、自分でやれることをいろいろ考えて見たいものです。

 

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参考に私が最近読んだ本を紹介します。「No One is Too Small to Make a Difference」(グレタ・トゥーンベリ著)。ペンギン・ブックスから出された68ページの小冊子です。アマゾンで¥335で買えます。トゥーンベリさんが集会などで行った演説集で、現在アマゾンのベストセラーです。わかりやすい英語で、中学校3年生レベルの英語が分かれば読めます。彼女の主張を知りたい方に是非おすすめします。TwitterでGreta Thunbergで検索すれば、彼女の生の声を聞けます。