わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

描きたい 船が進水 いなくなり (岡山県備前市日生港 造船所)

2018年6月

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グループで備前市日生(ひなせ)に来ました。梅雨の合間の奇跡的な快晴の一日。参加者は17名でした。9:30にJR赤穂線日生駅前に集合し、すぐ目の前に広がる日生港の一番奥に見える小さな造船所を描くことにしました。ちょうど真っ赤な船体の中型船がドックに入っているのが見えました。造船所を遠景に入れたり、造船所に近づいたりと、皆それぞれ暑さを避けながら好きな場所でスケッチ開始。私は造船所の構内に入り、スケッチの許可を得ようと作業の人に話しかけました。「スケッチさせて頂いていいですか?」と尋ねると、「いいけど、もうすぐ10時に出るよ」との返事。「ええー!? この船いなくなるんですか?」。10時まであと10分ほどでした。道理でこの船、見た目がえらくきれいでした。修理を終えて化粧直ししたばかりだったようです。しかし、この「もうすぐ進水」の情報をスケッチの人全員に伝えるのは無理。すでにかなりの人達が遠くからあるいは近くからこの船のスケッチを始めていました。

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私は船の進水の様子を間近で見ました。この小さな造船所は修理・点検の専門のようです。船の下にはレールの上に赤茶けた台車が何台か置いてあり船体を支えています。その台車は長い丈夫なワイアーでつながれていて、そのワイアーはモーターで巻き上げられています。船を造船所の構内に引っ張り上げていたワイアーがほどけるにつれて船を乗せた台車は海に向かってなだらかな勾配をもつレール上をゆっくり滑っていきます。しかし最初の動きに勢いをつけるのは、何と船の下に潜って台車を押す人の力でした。人がぐぐーと台車を押す。それで力を得た台車はガラガラと音を立てながらほどけるワイアーにつれられて海へ入って行きました。海中で船は水にふわりと浮かび、台車は船底から自然に離れるという具合です。船はそのままエンジン音を立ててあっさりどこかに行ってしまいました。

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残ったのはその向こうに見えるもう一隻の修理中の船と手前のごちゃごちゃした赤茶色の機械や道具が散らばる現場と、そして造船所の向こうに見える海と山と島の風景でした。船がいなくなったので遠景がすっきり見えてかえって良かったかもしれないと思い直して、ここでスケッチすることに決めました。集合の午後1時までの3時間、スケッチに集中しました。


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講評会では、案の定、初めに描いていた船が突然進水していなくなり慌てたという話が出ました。皆さんの17枚の力作を見せて頂いた後、昼食を食べに行きました。午後2時を過ぎてどこも昼休みになった店が多い中で、1軒開いている店を見つけ数人で入りました。注文したのは穴子丼。他の人は天ぷら定食やにぎりなど。人数が多かったのに全員分が思ったより早くできて、しかもとてもいい味で、満足しました。帰りのJR電車は下校する高校生や大学生で次第にいっぱいに。JR山陽本線で起きた人身事故で列車の一部に遅れが生じたせいもあり、JR岡山駅のホームは混雑していました。


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今日の日生は夏の始まりを思わせる日差しでした。風が涼しかったのが幸いでした。この梅雨があけるといよいよ本格的な夏です。今日は暑さ対策と紫外線対策をしてきましたが、まだ体が暑さに慣れていないせいか、帰宅するとどっと疲れがでました。暑さだけではなく、歳のせいもありそうです。自分ではそれなりに体を鍛えているつもりですが、だんだん無理がきかない年齢に近づいているのを実感します。スケッチグループの中にも体調不良で長期欠席の人が何人かおられます。野外スケッチには体力がいります!


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ラングトン水彩紙 粗目 F6 2枚
青墨筆ペン
シュミンケ固形水彩絵の具
所要時間:3時間