わたしの水彩スケッチと読書の旅

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兵庫県立芸術文化センターへの旅 (兵庫県西宮市)

2019年6月

 
兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センター大ホールで、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第27番」と「レクイエム」を聴きました。このホールに来るのは昨年に続いて2回目。昨年は佐渡裕(さど ゆたか)監督・指揮のオペラ2018「魔弾の射手」(ウエーバー作曲)を観ました。この文化センターは阪急西宮北口の駅改札口からすぐなので、大阪からも神戸からもアクセスが便利です。今回はJR西宮駅から徒歩で会場へ行きました。

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芸術文化センターはどっしりとした近代的な建物です。2005年オープン。エントランス付近には木立や木の歩道があり、気持ちの良い空間が広がっています。入り口の大きなドアを開けて広い階段を登って入場すると、ホールにはすでに沢山の人がいました。指定席は1階A席のE列。かなり前の方の良い席ですが、¥3000の安さです。
 
席に座って見渡すと、大きなホールの4階席まで満席。ステージや壁面、そして客席もシート以外はすべて木で出来ていて、それだけで全体に心地よさが感じられます。さて、今日の演奏の説明を読もうとパンフレットをみると、表紙は水彩絵の具を広げたパレット、裏表紙は少女の絵です。誰の作品だろうと思って表紙裏の説明を読むと、神戸の画家 寺門孝之(てらかどたかゆき)さんのものでした。妖精のような天使像をたくさん描いている画家です。

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最初のピアノ協奏曲。初めて聞く曲でした。指揮はユベール・スダーン。ピアノは田村響(たむらひびき)さん。落ち着いた素朴な音色。モーツァルトの最後のピアノ協奏曲に込められた意図と感情を素直に表現したよい演奏でした。田村さんはまだ32歳なんですね。そんな歳には思えないぐらい、落ち着いた雰囲気のある演奏で驚きました。
 
2番めのレクイエム。合唱団の歌声がよかった。男性合唱のメンバーは中高年の方々がほとんどのように見えましたが、声には迫力がありました、女声合唱の声は明るくてかろやか。レクイエムというと、死者に捧げる鎮魂の曲なので、沈んだイメージがありますが、今日の歌声にはそのイメージを変える新しさが感じられました。
 
管弦楽は兵庫芸術文化センター管弦楽団。団員のメンバーが皆若い。その若々しさが伝わる演奏でした。楽団員に選ばれて、そこで長くやっていくというのは大変なのでしょうね。関西には音楽系の大学が比較的多いので、生き残りの競争も厳しいでしょう。この管弦楽団は世界中でオーディションを行って若手演奏家を集めているようです。楽団の生き残りにはそれが必要なのでしょうが、メンバーにとっては毎年厳しい試練の連続かもしれません。どの世界も厳しさは同じですね。技術プラス個性。特に芸術分野では最後はその人のもっている個性の勝負です。私がやっている水彩画も同じです。最後は個性。
 
土曜日の午後の演奏会。たまにはこんなリフレッシュが必要です。会場の聴衆は中高年の人がほとんどでした。入場料が比較的安いので、若い人たちにも生の演奏をどんどん聴きにいってもらいたいものです。トータルで人間力・個性を磨いていきましょう。