わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

この急流 高綱よくぞ 渡りけり (京都府宇治市 宇治川スケッチ)

2016年7月
 
宇治の平等院に来ました。京都からJR奈良線の普通電車で約30分。今日はとても暑くなりそうな天気予報だったので、京都駅を朝8時前に出る電車に乗りました。丁度時間が小中高校生の通学時間と重なり、電車は満員。毎日こんなふうに満員電車に乗って学校に通わなければならないのは大変だと思います。都会の通学電車にあこがれる田舎の生徒も多いと思いますが、自分の足で歩いて、または自転車に乗って学校に行けるのは本当に幸せです。

イメージ 1

 
JR宇治駅から徒歩15分ほどで宇治川にかかる宇治橋に来ました。あーなるほど、これがあの宇治川の先陣争いで有名な宇治川です。木曽義仲を撃つ源義経の軍勢の佐々木高綱(ささきたかつな)と梶原景季(かじわらかげすえ)が先陣を争って馬で急流を渡った、あの宇治川です。宇治川は予想以上に流れがきつくて、白波を立ててごうごうと流れていました。地元のお店の人の話では、つい最近大雨が降ったということなので、上流の天ヶ瀬ダムの水位を下げるために放流しているのかもしれません。しかし、平安末期の宇治川の戦いの時代にも雨の後などはこのようにごうごうと川が流れていたのでしょう。ここを、敵の矢が降る中を重たいよろいかぶとを着けてよく馬で渡りきったものです。しかも自分に続いて仲間の軍勢が川を渡らなければ自分だけ敵の矢面に立たされるわけで、昔の武将というのは、格好はいいけれど、実に大変ですね。そんなすごいことをやったから、それが今に語り継がれるわけでしょう。しかし、今の子供達は、地元の子供は別として、どのぐらいこんな歴史話を知っているのでしょうか。

イメージ 2

 
今日の目的地は宇治の平等院でした。まだ、名前に聞くだけで実は一度も来たことがなかった世界遺産平等院鳳凰堂を見たくてやって来ました。平等院表参道には宇治茶の店が沢山ならんでいました。後でお茶を買うことにして、まずは平等院です。

イメージ 3

イメージ 4


入り口で、「スケッチしてもいいですか」と尋ねたところ、係の女性から「スケッチはお断りしています」とあっさり断られてしまいました。まあそうでしょうね。鳳凰堂は最近改修が終わり、朱色が鮮やかでした。やはり美しい建築物です。本当は改修前のくすんだ色合いの鳳凰堂を見たかったのですが、この新しいのもいいです。宝物のある鳳凰館も見せていただき、満足して平等院を後にしました。

イメージ 5

 
イメージ 6


再び表参道に戻り、一軒のお茶屋さんでほうじ茶を買い、冷たいお茶のサービスを受け、それから宇治川沿いのあじろぎの道を歩いて喜撰橋に来ました。この橋は川の中州に向かってかけられた橋で、その橋の下の流れは本流とは違ってとて穏やかでした。今日はこの中州のベンチに座って川の土手とその向こうに見える商店を描くことにしました。日陰のベンチを選んだのですが、日陰でも首筋に時々当たる日光が強い強い!小さなスケッチブックを見開きにして、1時間で絵を描きました。帰宅した後でNHKテレビの夕方の全国ニュースを見ていたら、なんと今日行った宇治橋が映っていました。最高気温が京都で37度だったとか。暑いはずです。実際、JR宇治駅に向かって歩いている時には、途中で道に迷ったこともありますが、もう倒れるかと思うほどの暑さでした。


イメージ 7

 
ラングトン水彩紙 中目 SMサイズ見開き
ぺんてる筆ペン(青墨)
ウインザー&ニュートン固形水彩絵具
所要時間:1時間


無事京都駅に着き、「全日本鉄道旅行地図帳」にあった京都駅の名物駅弁「近畿味めぐり弁当」を探しました。しかし、それはどうしても見当たらず、その代わりに「関西味めぐり弁当」というのがありました。頭のなかで「味めぐり」だけは記憶していたので、これを買って在来線で新大阪へ。新大阪から新幹線で岡山へ帰るので、その車中でこの弁当を食べました。実は、新大阪のホームで何となく弁当屋さんを見てみたら、「近畿味めぐり弁当」がありました!「あれー? 近畿味めぐり弁当は京都じゃないの?」と思ったのですが、誰にも文句は言えません。新幹線の車中で弁当を食べながら地図帳を広げて弁当の名前を確認。実際、近畿味めぐり弁当と関西味めぐり弁当はどう違うのか、知っている方に教えて頂きたいものです。ただ、表の包み紙が違うだけで中身は同じかもしれませんね。大都会だったらこんなことはありそうです。やはり田舎の駅弁の方がいいです。


イメージ 8

 
という訳で、私のお気に入りの最近買った「全日本鉄道旅行地図帳」は駅弁情報については、昨日の滋賀草津駅の「近江すき焼き弁当」も「近畿味めぐり弁当」も、どちらも食べることができなかったので、ハズレでした。また、次回のお楽しみということですね。