わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

「がんばっていい絵をかいてくださ~い!!」 「ありがと~!!」

2015年6月16日

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ようやく近所の田んぼで田植えが始まりました。岡山県南部は随分遅いですね。寒い土地では田植えはもうとっくに終わっているのに、ここではやっと今頃です。


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水が水路を勢いよく音を立てて流れていきます。水は比較的高い場所にある貯水池に大量にたまっていて、そこから土管やコンクリートで蓋をした溝を通ってあちこちに流れて行きます。水路の行先が行き止まりになっていて水が丁度T字路になった水路をふた手に分かれて均等に流れたり、木の小さな板を水路に置いて水の一部だけを自分の田んぼに取り込んで残りの大部分は下流に流したりと、この水田の灌漑用水路の仕組みはよく見ると本当によく出来ています。これはかなり頭を使わないとこんな風には出来ないですね。日本では水田の土木作業でも先祖代々大切な知恵が引き継がれてきたのでしょう。本当に芸術品です。


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毎日早朝の散歩で5分間の鉛筆スケッチをしています。スケッチをしていると丁度小学校に向かう子供たちが集団登校で私のそばを通りかかったりします。小学校1年生から6年生までの20人ほどの集団ですが、その中で絵が好きで熱心に「今日は何かいたん?」「最新作を見せて!」と寄ってくる4年生の男の子が二人います。私は一応この子たちから「芸術家」と最高の呼び名で呼ばれています。それなのに、いつもいい加減な5分間のスケッチばかり見せていると小学生でもさすがに「芸術家」に疑問を持つかもしれないなと思い、昨日は今年3月にSMサイズに描いた小さな水彩画(丁度子供たちの通学路から見える景色です)をハガキにプリントしたものを、「これあげるよ」といってその男の子達に手渡しました。「わあ、◯◯ちゃんの家がかいてある!」「わあ、やべえ、似とる!」と彼らは大喜びでした。他の子供たちも絵葉書を取り囲んで一緒に見ていました。本当は、20人全員に絵葉書をあげたほうがいいとは思うのですが、それも何となく変なので、また他に「欲しい」と言う子がいたらあげることにしました。



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そして今日、子供達の通学路からかなり離れた場所でスケッチしていたら、子供たちが1列になって通り過ぎました。「昨日はありがとうございました!!」「がんばっていい絵をかいてくださ~い!!」と思いがけない子供たちの大きな声が聞こえました。「ありがと~!!」私も手を振って応えました。もう1年以上も子供たちと同じ道を歩いているので、彼らとかなり気持ちが通じるようになりました。いつもこの子供たちに会えると思うと、これが散歩とスケッチを続ける力になります。