わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

疎水にも かすかに秋の 気配あり (岡山県倉敷市 酒津公園 東西用水 水彩スケッチ)

20139



イメージ 1


久しぶりに水を描きたくなって、車で、倉敷市の北、一級河川高梁川の水を引き入れている酒津公園・東西用水に来ました。高梁川の水をいったん酒津配水池に貯め、それから倉敷市やその周辺の農地へ供給します。その中心部分である東西用水酒津樋門は、大正13年(1915年)に完成しました。この疎水は「日本の疎水百選」のひとつに選ばれていて、その周辺は広大な緑の広がる公園になっています。中には広い児童公園や運動施設もあります。


イメージ 2

しかし、この公園に来るには、多分、車しかないと思います。そして、駐車場は公園の周囲にいくつかありますが、そこに至るまでの道路にややカーブが多かったり、道巾が狭かったりするのが欠点ですね。しかし、いったん車を降りて公園に入ると、大変のびやかな感じのする広い空間が広がっています。倉敷市がかなり人と経費を使って公園の整備をしているのがよくわかります。今日は清掃作業の人が沢山働いていました。園内にごみは全く見当たりません。午前中、ぽつぽつと雨が降ったせいか、公園を訪れる人の数は余り多くなく、作業着姿の清掃の人の姿が目につきました。春の桜の季節や新緑、そして紅葉の季節には大勢の人が訪れるようです。
9月に入って、8月の猛烈な暑さもやや遠のきました。今日は朝から雨の心配がありましたが、夕方まで何とかもちました。空が曇っているので、目に入る日差しもそれほど強くなく、木陰でなくてもスケッチが出来そうでした。実際には、木陰を選んで、用心のために透明サングラスをかけてスケッチしましたが。木々の間を抜ける風は涼しく、快適でした。 


イメージ 3


時折、散歩の人が私のそばを通るのですが、「ごめんなさい」とか「すみません」とか、皆、遠慮がちに通り抜けて行かれました。結局、今日は
2時間のスケッチの間にゆっくり話しかけてくれた人はゼロ。最近はギャラリーに話しかけられることに慣れしてしまって、絵を見てくれる人がいないとちょっと淋しいですね。私もずいぶん図太くなったというか、この1年位、イーゼル3本の足をいっぱいに伸ばして、F6のスケッチブックを見開きにしてドンと広げて置き、立ったままで描くことを、どこでも臆することなくやれるようになりました。


イメージ 4

イメージ 5

 

さて、今日の最大の失敗は、飲み水を持たなかったこと。暑さが緩んだせいもありますが、飲み水を持たないのは本当に基本的な失敗です。普通どこでも自動販売機で水やお茶を買えると思い込んでいるので、この公園に来てみて、自販機がすぐに見当たらないのは意外でした。市の公園なので民間の業者が入っていないのでしょうか。結局水を飲まずにスケッチしました。さすがに筆洗いの水は忘れずにちゃんと持ってましたが。この自販機がないというのは、考えてみたら、節電にもなるし、ごみも出ないし、人工光の環境への影響も無くなるし、実にいいことなんですよね。とくに岡山のような水道水のおいしい地域では、わざわざペットボトルの水を買わなくても、自宅の水道水を自分の水筒につめればいいわけです。ただ荷物が重たくなるからそれをしないだけです。便利さになれてしまうと、人間が弱くなります。日本はコンビニや自販機にみられるように実に便利な国です。私は行ったことはないのですが、富士山の頂上には自販機がずらーっと並んでいて、富士登山で苦労してやっと頂上に達した外国人の多くが、これを見てびっくりたまげるそうです。この便利さは日本人を弱くしませんか?それと、今日は車でスケッチに来たのですが、何か不満足でした。バスや電車で時間表を調べながら苦労してやって来て、さらに自分の足で歩いて、はじめて旅の良さがわかるし、自分の足て歩いてスケッチしたい場所を見つけた時のうれしさは忘れられません。できれば車での旅は避けたいものです。


イメージ 6


この酒津公園の北にはすぐに高梁川の堤防があります。この大きな高梁川をここから上流に向かって国道沿いにさかのぼっていくと、総社市高梁市など、川の風景とともに描いてみたいスポットが次々と現れます。しかし、これらの場所を訪れるのには、やっぱり車が便利なんですね。田舎に行くと、特に週末のバスは目的地まで一往復だったりするのです。うーん、世の中、なかなか理想どおりにはいかないようです。