わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

大江戸の 栄華を語る 町模型 (東京都墨田区 江戸東京博物館への旅と 東京都品川区の水彩スケッチ)

20132

 

東京に私用で2泊しました。主な目的が済んで、時間があったので墨田区江戸東京博物館に来ました。この博物館は非常に人気のある博物館で、入館すると、大勢の小学生たちが学校の行事なのでしょうか、元気な歓声をあげていましたし、車椅子のお年寄りや通訳のガイドをうける外国人もかなり見かけました。やはり、江戸の文化を一度に見ることができる大変便利で分かりやすい展示が人気を呼ぶのでしょう。


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館内はびっくりするほど大きな空間で、2階分をぶち抜きにして、展示物を上からも、そしてもちろん近寄っても眺めることができます。本当に素晴らしい展示です。私が好きなのは、大型の建築物の複製ももちろんですが、江戸の町と人々を再現したミニチュアの模型です。これは大変手の込んだもので、いったい誰がこれを作ったのか、本当にリアルで、きれいで、昔の町の生活がよく分かります。



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その他、江戸の祭りなどもミニチュア模型で再現されています。これを見ていて、思ったのは、やはり大事な文化遺産や貴重な日本人の習慣は努力しないと後世に残せないなあ、ということです。かつてはこのミニチュア模型のような町並みが広がる大江戸で、そこに住んだ人もまさにこのミニチュア人形のように時代に即した独特の生活していたのでしょうが、その人たちも当然ながら世代交代でみんな居なくなって、都市は大きく変貌してきました。太平洋戦争では東京は連合国の空襲で焼け野原になりました。そんな中で、江戸文化の素晴らしさを、模型でもいいから何とか残して現代の人々に示したい、そういう博物館の意図と強い意志がよく感じられました。



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東京は最近、大きく変わってきているような気がします。よい言い方をすれば、依然と比べて落ち着いた感じというか、成熟した都市という感じでしょうか。私が若い頃に見た、活気がムンムン溢れるダイナミックな感じは薄まりましたね。「東京へは もう何度も行きましたね 美しい 美しい都」と私の若い頃ポップスで歌われた東京。相変わらず若者を引き付ける魅力のある大都会ですが、経済の低迷のせいでしょうか、あるいは東日本大震災放射能汚染や高まる直下型大地震への恐れのせいでしょうか、通りを歩く人々の表情になにか生活への不安が感じられます。街で見かける外国人の数も以前よりかなり少ないと思います。現在のいろいろな社会・経済状態を敏感に反映するのが首都の宿命ですね。東京の人口は20年後には今より3割ぐらい減ってしまい、高齢者の割合が激増するとの話を何かで読みました。これから急速に変化する日本の首都東京の姿を、この先もこの目でずっと見て行きたい気がします。


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ホテルは品川にとりました。ホテルの19階から眺めた夜景をスケッチしました。きれいな夜景ですが、何かしら不安も隠せない夜景です。以前はこんな感情にはならなかったのですが。その夜11時過ぎ、心配した通りというか、丁度ベットのランプを消して寝入ったころにグラグラっときました。ビルがきしんで、コンクリートが断裂するような感じです。すぐにテレビをつけると東京震度3でした。それから慌てて部屋のライトをつけて、荷物をすべてきれいにパックして、靴も靴下もズボンもシャツやコートもすぐに着られるように部屋の机の上に順番に並べました。そして非常口もチェック。これでもし本物の直下型が来たら、停電の漆黒の闇の中を19階から非常階段を伝って地上までいかなければならないと思うと、ものすごく不安になり、そのあとなかなか寝つけませんでした。ひょっとしたら、実際は漆黒の闇ではなくて、あちこちで起きる火災で燃え上がる明るい火の中かもしれませんが。普段東京にあまり来ない私は、東京に住んでいる人たちの不安がわかりませんでしたが、今日は何となくそれが実感できました。


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