わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

震災の 傷跡悲し 伊能邸 (千葉県佐原 伊能忠敬旧宅水彩スケッチ)

20131

 

是非一度行きたかった憧れの地、千葉県佐原(さわら)に来ました。憧れる理由は、江戸時代に55歳の時から日本全国を歩いて日本全図を完成させた、かの伊能忠敬の旧宅と記念館があるからです。

 

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この佐原、東京から意外と遠く、途中の待ち時間が長かったせいもあって、JRで片道4時間もかかってしまいました。千葉を離れて成田を経由して佐原に向かうと、途中は心細くなるくらいどこまでも畑だけが広がる景色です。やがて佐原着。駅前では地元の皆さんの太鼓と笛と踊りが乗降客を出迎えてくれました。

 


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今日は全国的に寒波が厳しく、気温が低いのですが、ここ佐原は少し風が強いものの、気持ちのよい晴天でした。ホテルで自転車を借り、いざ伊能家旧宅へ。噂には聞いていたのですが、この佐原の重要な歴史的建造物も先の東日本大震災の被害を大きくこうむり、あちこちでブルーシートをかぶせて修理が進んでいました。伊能忠敬旧宅も残念ながら全面解体補修工事中でした。

 

まず腹ごしらえをと、近くの和食の店でえび天重を注文。これが素晴らしくおいしく感激しました。元気をつけたところで、自転車で小野川沿いの道を古い家並みを見ながらゆっくり走って、比較的描きやすそうな場所を選んで、スケッチ開始。



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佐原は観光客の多い町です。皆、伊能忠敬がお目当てです。町には鯛焼きやら芋菓子やら、つい買いたくなりそうなものを売っている店が並んでいます。今日のスケッチでは、一人の地元のおじさんが話しかけてこられて、佐原の観光案内を一所懸命してくださいました。その方の話によると、私が今日描いている家並みは戦後の新しい家並みで、実はそれほど歴史的なものではないそうです。「なるほど、そうですか。でもこの雰囲気は江戸の雰囲気ですね」と返事をしながらスケッチを続けました。その方の話では、佐原は豆腐の上に家を建てているようなもので、地震の時には地面の液状化現象がひどく、多くの家が倒壊しないまでも大きく傾いたそうです。



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スケッチが終わって人影が少なくなった町をホテルへ帰りました。ホテルに帰って部屋の壁を見ると、あれ?この壁のひび割れ、ひょっとしたら地震の跡? 机の下の目立たない場所にびりびりのひび割れです。見ているテレビの画面には地震速報、茨城震度3。関東・東北の皆さんは毎日この恐怖にさらされているんですね。こりゃ本当に大変だ、と実感しました。ホテルでもまず避難場所を確認しました。