わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

多摩川の 鉄橋の下 クジラさがし (東京都昭島市 水彩スケッチ)

20131


イメージ 1

イメージ 2

 

出張で東京昭島市に来ました。夕方、JR昭島駅から歩いて多摩川河畔のクジラ公園に向かいました。多摩川にかかるJR八高線多摩川鉄橋の下の160万年前の地層からは、昭島クジラの化石が出ました。

 

JR昭島駅から住宅地を抜けてかなり歩いて40分ほどでようやく多摩川に出ました。途中、茶畑があったり、養鶏場があったりと、東京と言ってもかなりの田舎です。そして昔ながらの曲がりくねった路地に沿って昔の農家を含めて沢山の家が建っています。興味深いのは、夕暮れが近いのにその家々に明かりは無く、帰宅中の中高生以外は、通りに人影もほとんど見えないことです。多分老人や子供以外の住民の多くが都心に電車で通勤していて、まだ帰宅していないのでしょう。昭島市は、昼間と夜の人口に大きな差がある郊外都市の典型だそうです。


イメージ 3

イメージ 4
 

多摩川の鉄橋の下は、確かに面白い地形です。薄暗くなってよく見えなかったのですが、いかにも化石が出そうな雰囲気です。休日には化石を掘る親子の姿も見られるそうです。冬の日が傾いて夕焼けもきれいでした。遠くに武蔵野の面影を残す林や木立も見えました。


イメージ 5

 

ただ気になったのは、夕空を飛ぶ軍用機の列です。ちょうど夕焼け空にカラスが鳴きながら飛んで巣に戻るように、大きな軍用機が爆音を立てながら遠くから次々と飛んできます。そうか、ここはアメリカ軍横田基地のすぐそばなんですね。

 

ホテルに帰っても空気を震わせる航空機の爆音が夜遅くまで続きました。遠くには広い基地の明るいライトが見えます。急いでインターネットのグーグル地図で付近を検索すると、アメリカ軍基地は真っ白でなにも書かれていません。地図には大きな空白地帯が広がっています。東京都にはアメリカ軍の基地が8つもあるそうです。これが今の日本の現実ですか。沖縄を始め、アメリカ軍の基地を抱える多くの自治体とその住民は、戦後この現実にずっと向き合っているわけですね。私は普段、何もない静かな田舎町に住んでいるのですが、この東京都昭島市に来て、アメリカ軍基地の存在を身近に感じました。翌朝、日が昇り始めた街をホテルの窓から描きました。スケッチの右側奥にアメリカ軍基地があります。


イメージ 6