わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

三丁目の 夕日はいつも(always)  この熱さ? (岡山県倉敷市玉島 水彩スケッチ)

20128

 

ALWAYS三丁目の夕日」のロケ地として一躍有名になった倉敷市玉島を訪れました。JR新倉敷駅を降りて、駅前のバス乗り場から玉島中央町まで10分ほど。それからすぐに街並みや川にかかる水門を巡る歩くコースが始まります。全長を1時間程度で回れます。商店街が2つほどありますが、これが実にレトロです。盆休みで誰も人が歩いていないのが、なんとも言えず日本の「田舎の町の商店街」そのものです。商店街でかかっていた音楽がのんびりしたハワイアンだったので、何だかますます昭和30年代にタイムスリップした感じでしたね。この町はやはり貴重品です。まさに映画のロケ地に最適です。絶対つぶしてはだめですね。



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(みなと水門)


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(通町商店街)


 

商店街を抜けると、溜川(ためがわ)に出ます。これは思いがけず素晴らしいスケッチポイントでした。浅い川の水が静かに流れ、浮草が漂う広い水面。そして川の向こう側には民家。古民家ではない普通の民家なのですが、実に昭和20年代30年代で時間が止まったようなたたずまい。これは素晴らしいです。これもつぶしてほしくない。家も改築して欲しくない(私の勝手な希望なのですが)。



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(溜川の風景)


 
浮草の一部が川のながれによってゆっくりと水門の方へ流れていきます。今日は、迷わずこの風景をスケッチすることにしました。幸い木陰が沢山あり、そこに携帯椅子を置いて座ると、風が心地よく吹き渡ります。この季節のスケッチで困る蚊も全然いません。よく見ると、川は浅く透き通り、小魚がたくさん泳いています。水鳥もあちこちで水に潜っていますし、カメもいます。実にのどかな風景です。


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 川の浮草を描きながら、ああそうか、これはモネの「睡蓮」の絵と同じだ、と思いました。時間とともに変わる水の色や水草の色を追いかけていると、飽きることはありません。モネの気持ちがよく分かった1時間のスケッチ、幸せでした。

 

今日は盆休みで、ただでさえ少ない食堂やレストランが休みで、昼食がとれません。仕方なく、和菓子屋さんでカステラの切れ端を集めたものを売っていたので、それで昼食代わりです。暑くてのどが渇くので、ペットボトルの飲料水を今日は一日で5本も飲みました。

 
一応町を歩き終わり、最後にどうしても目立つ水門を描きたくなり、これも「三丁目の夕日」のロケ地となった「みなと水門」を描きました。この水門は見るからに年季が入っていて、その鉄さびや微妙な色合いが絵心をそそりました。しかし、日ごろ水彩では色を濁らせないように気を使っているのに、今度の水門のように時代を経て古さがにじんで、まるで濁った色の典型のような対象物を目の前にすると、いつもと逆でやや困りました。コンクリートや鉄板の古い色合いを出すのは難しいですね。

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 玉島は倉敷市の一部です。倉敷市にはその中心部に有名な白壁の町並みや大原美術館がありますが、市域は広く、この玉島で瀬戸内海に面しています。実際、瀬戸内海はすぐ目の前です。倉敷市の中心部を訪れる人は多いのですが、玉島地区はやや人から忘れられてきた場所です。それだけに、昭和20-30年代の日本に戻れる貴重な場所となっています。