わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

滝のような雨の中で滝のスケッチ? 神庭の滝(岡山県)水彩スケッチ

20127
 
2日ほど前から、九州北部を襲った大雨・洪水で死者・行方不明者多数のニュースが伝えられ、今日も朝のニュースでは大分県日田市内の川の氾濫が中継されました。日田市には知人がいるので、大変心配しましたが、それよりもっと心配だったのが、今日出発予定のバススケッチ。行先は岡山県真庭市の「神庭の滝」です。「滝のような雨の中を滝のスケッチというのも、笑えないなあ…..」と思いましたが、こういう時はバス会社は結構強気で、利潤優先なのか、乗客の心配を他所に、決められた予定通りのスケジュールをこなします。大雨で法面が崩落した通行止めの高速道路を避けて、ほぼ満員のバスは一般国道を進み、予定通り目的地へ。予想に反して、滝に到着後奇跡的に雨は降らず、無事、滝のスケッチができました。やはりバス会社の判断はプロの判断だったのかな?


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神庭の滝は西日本ではかなり有名です。200匹近くの野猿がいるのでも知られていますが、今日はサルは出てきませんでした。もし出てきたら、落ち着いてスケッチもできなかったでしょうね。時折、悪天候にもめげず訪れる若いカップルや家族づれ以外は、さすがに観光客は少なく、その意味でも今日はスケッチに適していました。


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 滝の水量はかなり多く、これが雨天ならどうなるだろうと思わせるような勢いでした。落差110 m、幅20 mで、日本の滝100選に選ばれています。スケッチを滝の近くでしている人たちは、雨のように降ってくる水しぶきで水彩紙が濡れて、思うように色が乗らなかったようです。私は、滝からかなり離れて、遠景に滝を望む位置でスケッチしました。滝の上部はカスミがかかって木々と空との境界も判然としません。雨に濡れた7月の木々の緑は鮮やかで、これを描くのは結構難しいです。


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 この滝の下の流れには、天然記念物のオオサンショウウオも住んでいます。夏は涼しいのですが、冬は雪に覆われる寒さの厳しい土地柄です。近くには、谷崎純一郎も戦時中に疎開した城下町勝山の町があります。勝山は旭川高瀬舟が発着した歴史あふれる町です。古い街並みが保存されていて、旭川沿いに並ぶ白壁土蔵の連なりが、帰りのバスの車窓から見えました。これは、いつか是非絵に描きたい風景です。雪の勝山がまた格別美しいそうです。