2021年12月1日
プルシアンブルーは1704年にドイツとフランスでほぼ同時に発見された青色の色素です。動物の血液や肝臓を熱した時にできる一種のカリウム塩に硫酸(第一)鉄が加えられたときに偶然生じた無機顔料(色素)がもとになっています(『On Campus』東大出版会、第6章 Subjectivity より)。
Advanced Favorite English-Japanese Dictionary(英和辞典)で調べてみると、
Prussian blue
(名詞)プルシアンブルー, 紺青(こんじょう).
(形容詞)紺青の.
となっています。プルシアンブルーのプルシアン (Prussian) は形容詞で、名詞はプルシア(Prussia) 。ドイツの王国の名前です。この青色はドイツの王国の名前に由来することが分かります。
Prussia
(名詞)プロシア, プロイセン(1871年のドイツ統一の中心となった王国).
Prussian
ついでに岩波広辞苑第7版でこんじょう(紺青)を調べてみました。
紺青 ① あざやかな明るい藍色(あいいろ)「紺青の海」② 青色顔料の一つ。ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の溶液に硫酸鉄(II)を加えてできる白色沈殿を、塩素酸ナトリウムで酸化して作る。印刷インク・絵具・塗料などに用いる。ベレンス。タンブル青。プロシア青。プルシアン・ブルー。ベルリン青。
この広辞苑の説明もかなり丁寧でわかりやすいです。
よく知らてているのは、このプルシアンブルーが江戸時代(1747)に日本に入ってきて、広重や北斎の版画に使われ、そのあざやかな青の色合いが大人気を博したという事実です。この化学合成のブルーの色に押されて、日本の天然の藍色が次第に姿を消したことも有名です。日本の藍の歴史については、『日本の色を知る』(吉岡幸雄著、角川ソフィア文庫)、『街道をゆく32 阿波紀行、紀ノ川流域』(司馬遼太郎、朝日文庫)も参考になります。