わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

ローカルFM放送出演 11月

2015年11月12日

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FM放送に出演するために、昼過ぎに車で倉敷に行きました。今日は素晴らしい秋の空です。午後3時15分からの放送時間まで、まだ時間があったので、倉敷市立図書館で1時間ほど本を読みました。「私の台所」沢村貞子著(講談社)。沢村貞子さんはもうかなり前に亡くなった女優さんですが、彼女のエッセイは有名です。大学ノートの1ページを縦横の線で4つに区切って、毎日その四分の一区画の中にその日の献立を朝昼晩と書き続けた人です。昔読んだ文章が懐かしくなって、図書館で彼女のエッセイ集を見つけて読んでみました。うーん、やはり明治生まれの、江戸の粋を感じさせる、いい女優さんのいい文章ですね。自然に、流れるような文体です。何の気負いもありません。淡々と、しかし自分の気持ちを正直に文章に書いています。見習わないといけないなあ、と思いながら読みました。この人も三省堂の「新明解国語辞典」を愛用していたらしく、この辞書の名前が文中に出てきました。
 
私は、最近の女流作家、例えば向田邦子(もう故人なので最近の作家とは言えないかもしれません)などの新潮文庫の100冊に選ばれた作品を読むと、どうも家庭内や特定の個人との複雑な人間関係を扱った内向きの話が多くて、どちらかというと余り好きになれないのですが(まだしっかりと個々の作品を読んだ訳ではないので誤解しているかもしれません)、沢村貞子さんの文章の場合、家庭生活や演劇の現場のことが具体的に分かりやすく、しかもあっさり書かれていて、好感が持てます。この人の文章には、この人のいかにも江戸っ子らしいサバサバした感じがよく出ています。この「わかりやすさ」、「あっさり感」は水彩スケッチにも大事かもしれません。
いい気持ちで本を読んで、もう少し読んでいたいなあと思ったのですが、予定の時間が来たので放送局へ向かいました。
 
今日は、先日の個展の際に、来場された人たちから質問があった「水彩画をやる時の道具の準備、心構え」などについて、15分間話しました。上手くなるためには毎日5分でもスケッチしたらいいといった、別に私が話さなくてもいいような一般的な話です。放送を聞かれた人も、今日の私の話は一般的過ぎてあまり参考にならなかったかもしれませんね。今日の午後の放送のプログラムをみると、出演者は地元の警察の人だったり、税務署の人だったりと、ちょっと硬めの話題が続いたようですので、まあこんな趣味のスケッチの話が最後にあってもいいのかもしれません。しかし、なるべくリスナーの興味を引く面白い話題で、できるだけあっさり(くどくどは駄目です)分かりやすく(具体的に)、そして楽しくサバサバした感じで話をしたいものだと、放送が終わって思いました(反省)。