わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

撫川(なつかわ)は コスモスの咲く 小城下 (岡山県岡山市北区 撫川城址 水彩スケッチ)

2015年10月

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スケッチのグループで撫川(なつかわ)城址に来ました。以前に描いたことのある庭瀬城址とは直線距離で百メートルほどしか離れていません。この撫川城は16世紀半ばに築城され、17世紀後半になると東の庭瀬城を廃城して撫川城の二の丸とし、二つの城を合体させたようです。別名「沼城」と言われており、恐らく当時は城の周りや城下は沼や湿地帯だらけだったのでしょう。今でも町のあちこちに水路が走っています。近くを足守川が流れているので、これらの水路はその足守川と部分的につながっているのかもしれません。今日はこの撫川城の石垣を入れて周りの民家を描くことにしました。


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この辺り、農家の畑にはコスモスが咲き誇り、そろそろ稲刈りが始まりそうな広い水田が広がっています。この辺りの民家は敷地も家の作りもゆったりとした感じで、地域全体がなかなか魅力的な住宅地となっています。ただ、難を言えば道が狭くて曲がりくねっていて車の通行に不便です。ここは規模が小さいのですが、確かに城下町の特徴を残しています。


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今日は絵を描いていると、通りがかりの地元の農家の人(71歳の男性)が話しかけてきました。農業でよく鍛えられた筋肉質の人で、日に焼けて見るからに元気そうでしたが、話題は意外にもガンとの闘病の話でした。ガンで数回の手術の後、前立腺と膀胱の両方を失ったということで、シャツをめくり上げてお腹のところに作った人工膀胱を見せてくれました。これはなかなかリアルでした。今も通っている放射線治療に来週からまた行かなければならないとのこと。あとは胃がんの手術跡、背中の脊椎の手術跡も見せてくれました。実に体中手術の跡だらけの人でした。若いころは野球をやっていて今でも体を動かすのが大好きだそうですが、これだけ体を動かしていてもガンにはなるのですね。昨日見たテレビ番組では、運動不足がガンの原因になると言っていたのですが.......。

 

今日はこの人との会話が長すぎて、絵の方になかなか集中できませんでしたが、後半頑張って何とか3時間で仕上げました。秋晴れの爽やかな天候。しかし「沼城」と言われるだけあって蚊が多く、時々飛んで来て首筋や手を刺すのが少し嫌でした。


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この近くには城下の下級武士たちが内職で始めたという「うちわ」(撫川うちわ)作りをしている家がありましたが、今日そこを探して行ってみると、もう家は廃屋のようになっていました。今時分、高価な「うちわ」なんて売れないので、廃業したのかもしれませんね。時代の波がどんどん押し寄せています。



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