わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

筋雲の 広がる空に 秋の風 (岡山県総社市 備中国分寺 水彩スケッチ)

201410

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スケッチのグループで総社市備中国分寺に来ました。今日は朝から爽やかな秋晴れです。2,3日前から急に寒くなり、防寒にカーディガンやウインドヤッケなどが必要になってきました。この時期、10月の中旬は、いわば野外スケッチのベストシーズンといえるかもしれません。
 
備中国分寺付近はかなり広い地域が景観保存地区になっており、けばけばしい商業看板やモダンな建物がありません。岡山県が管理する広い田園が広がり、毎年レンゲを田にすき込んで有機農法で米作りをしています。春にはレンゲの花が一面に咲いて、レンゲ祭りが行われます。備中国分寺には広い駐車場があり、売店や食堂、それにトイレもきちんとしていて、スケッチするものにとっては快適な場所です。国分寺だけでなく、国分尼寺跡や吉備の巨大古墳群も近くにあり、なかなか歴史的に見ても面白い地域です。どちらかと言うと奈良県の明日香村のような雰囲気があります。


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10時から国分寺五重塔を遠景にスケッチを始め、昼食を挟んで3時間で絵を描き終わりました。今日は、カラッとした気持ちのよい天気で、日陰に入ると風が冷たく体がだんだん冷えてくるのですが、日向ではぽかぽかと暖かく、ベストの体調で絵を描くことができました。平日なので人は少ないのですが、あちこちに水彩スケッチや油絵を描く人がいて、やはりここは絵の好きな人があつまるスポットだと分かります。日本画家の平山郁夫さんも、ここでスケッチをされて、それを日本画の大きな画面に残されています。ここでは国分寺五重塔が一番目立つのですが、普通の古民家や広い田園風景が、私にとってはもっと魅力的です。丁度今は黄金色に輝く田んぼが見えます。一部ではすでに稲刈りが終わっています。


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また、この近くには美味しいうどん屋さんが何軒かあります。そのうちの一軒が10年以上私のお気に入りで、時々車をとばして食べにきていました。「うどん定食」、「天ぷらうどん」、「田舎うどん」、「おろしぶっかけうどん」。こしの強い美味しい手打ちうどんで、店のご夫婦が丁寧に作っておられ、どれを注文しても美味しくて、いつも感動していました。窓際の席に腰掛けて、備中国分寺のあたりの風景をぼんやり眺めながら、熱いうどんをすするのが私の至福の時間でした。それが、半年ほど前に急に閉店となってしまい、その後はコンビニに建て替わってしまいました。備中国分寺の風景も大事なのですが、このうどん屋さんは私にとってはもっと大事だったかもしれません。私の中では備中国分寺はこのうどん屋さんと強く結びついています。こうやって身近な大事なものがだんだん無くなっていくのは本当に寂しいですね。


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