世界記憶遺産 山本作兵衛 の「原画展」へ行きました
2012年6月
そして、この絵を見逃さず、きちんと評価してくれたユネスコはすばらしい。
常設されている織田廣喜さんの作品も見ました。二科会の理事をされた人でちょうどこの5月30日に98歳でお亡くなりになったばかりとのことでした。ご冥福を祈ります。作品もよかったのですが、織田さんの若い頃の家族(奥さんと子供)と自分で建てた面白い家とアトリエ、そして制作風景の記録写真が大変興味深く、心惹かれました。このように若い頃から家族に囲まれて絵に打ち込まれ、お幸せだったことでしょう。
その後、美しい日本の歩きたくなる道500選に選ばれたJR小竹駅から遠賀川沿いの道を歩きました。6月の晴天の昼間、さすがに暑く、歩いている人も全くいません。4キロほど歩いたところで道も分からなくなりリタイア。その代わり、帰り道に遠賀川の土手にあった休憩所で日差しを避けながら、川とは反対側の山と民家の風景をスケッチしました。時々よい風が通ります。1時間半ほどの間に通りかかった人は1人だけ。「今日は暑かですなあ」と挨拶して行かれました。本当は遠賀川に架かる橋の上から大きな川と美しい河原を描きたかったのですが、炎天下なのでこれは断念しました。初夏の緑あふれる山。雲の無い青い空。手前に薄茶色に見えるのは小麦畑でしょうか。緑ばかりの風景はやはり描きにくいものです。民家も古民家はほとんどなく、最近の建築物ばかりです。このあたりも含めて筑豊地帯は福岡への通勤圏内となり、新興住宅地ばかりが目について、その地方独特の珍しい風景を描きたい者にとっては、やや期待外れです。昔の炭鉱のボタ山や炭住はいったいどこに行ったら見られるのでしょうか。今日は夏の訪れを告げる暑い一日でした。