わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

冬夕焼

2022年12月15日

 

「冬夕焼け隣家の屋根のシルエット」

 

今日の季語は「冬夕焼け」。日暮れを迎えた部屋でライトをつけずに夕空を眺めていると、何となく感傷的な気分になります。人生にはいろいろなことがある。しかし人生は何しろ短い。あっという間に時間が過ぎていく。そして突然ピリオドを打たれる。それに比べて自然の何と雄大でおおらかなことか。時間のスケールが、気が遠くなるほど大きい。夕焼けを見ているだけでもそんな気分になります。

 

「冬夕焼」を季語にした句を一つ。

 

「冬夕焼みつめることを獣らも」   正木ゆう子

 

野生の動物達も冬の夕焼けをみつめているのだろうという作者の思いです。これには強く共感できます。自然がすべてを包み込んでいる。その懐のなかで我々生物は生かされている。そう思うと、生きとし生けるものすべてが自然の現象に対して同じように感じる場面があってもおかしくないと思います。生物は多種多様なのですが、その生物が生きる原理は基本的に共通なのですから。みんな祖先をたどれば1つの生物体にいきつく。生物はいわば皆兄弟です。