海底火山噴火と地球の生命誕生
2022年1月17日
今朝の新聞1面トップは「海底噴火 太平洋広域に被害」(朝日新聞)でした。海底火山の噴火と聞いて頭に浮かぶのは、深い海底の火山活動の活発な場所にある「熱水噴出孔」です。そこは多くの科学者が地球上で太古の昔(今から約38億年前)に生命が誕生した場所ではないかと想像しています。
深海の「熱水噴出孔」付近では高い水圧で水の沸点が数百℃にもなり、メタン(CH4)、硫化水素(H2S)、水素(H2)、アンモニア(NH3) などがあって、高温・高圧下での化学反応の結果、生命体を構成するアミノ酸などの有機物が作られやすいと考えられています。今回爆発した海底火山は南太平洋のトンガ諸島の近くで、そこには深さ1万メートルのトンガ海溝があります。このあたりで火山が噴火すれば、太古の深海での生命誕生の条件が一気に整いそうな気がします。
ここで本当に生命誕生の糸口がつかめれば、それは世紀の大発見でしょう。しかし、現実にはここで作られた生命の基礎物質の検出は難しそうですし、既存の物質との区別も困難でしょう。そしてもしここで新生物ができたとしても、すでにいる生物の餌になってその発見は難しいでしょう。
科学の夢は尽きないです。